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参照という機能を作成しました

Fedibirdの参照機能について

ベータ提供開始以来、少しずつ発信してきましたが、ぼちぼちまとまった情報が必要と思いますので、ざっくりまとめておきます。 今回は操作方法や見た目は省略します。

はじめに

Fedibirdに『参照』という機能を追加しました。投稿参照機能(Status Reference feature)です。

投稿に、参照した投稿を結びつけて、投稿同士のつながりを辿れるようにする一連の機能です。 参照によって、投稿者がその投稿を行った際に何を見て(参照して)いたのか、言及の対象・文脈を明示することができます。

明示するだけなら、URLを書き並べても同じことができます。実際にそうしている方もいます。 しかし、実際にURLを書き並べるのは手間が掛かり大変ですし、そこに例えばURLが20個並んでいても、ひとつひとつを辿って見る人はまれです。

そこで、参照の操作がしやすく、参照されたものを簡単に確認できる、もっと参照を活用できる機能を作成しました。

提供する機能

提供する機能は、ざっくりいうと、

  • 対象を素早く正確に選ぶ、優れた操作性
  • 参照された投稿の、見やすい一覧
  • 利便性を高める、互換性

となります。

もう少し掘りさげると、

  • タイムラインやプロフィール、検索結果など、投稿が表示されている場所であれば、そこからワンタッチで参照対象を選択できる
  • URLの羅列ではなく投稿そのものが直接リストされることで、参照先を見る人が増える
  • 参照先のさらにその参照先をたどったて掘りさげたり、各投稿にリアクションすることができる
  • 本文中のURLを参照対象に含めることで、本機能を備えないサーバの投稿や、従来から参照を活用している人の投稿を便利にする

参照の活用

参照の活用によって、

  • 対象とする文脈がありながらそれを明示しない投稿(エアリプ)の削減
  • 文脈・観測範囲の共有によるコミュニケーションの向上
  • 関連する内容がつながることによる情報価値の向上

エアリプの削減

エアリプの削減については、これまで表現しにくかったアクションに代替手段を提供することで、

  • 複数の投稿に対してリプライ・言及したい
  • 特定の投稿者に対してではなく、話題に対して言及したい
  • できるだけ通知せずに静かに言及したい(自ら言及をチェックしているエゴサ勢は除く)

というニーズを満たします。

もともと対象を明示しない・隠す意図がなく、適切な代替手段がなかっただけの人のうち、本機能を活用できる環境にある人に限られますので、あまり効果はないかもしれませんが、使う人が多少でも増えれば十分です。

スクリーンショット言及の根拠の一つである、一連の流れを捉えて見せる方法がそれしかない、という理由付けへの対処にもなります。

まとめ機能

また、参照は、まとめ機能を提供する側面があります。 下記のような性質があります。

  • Mastodonそのもののタイムラインに投じる投稿に関連付けるもので、通常は流れ去りやすく、揮発性が高い
  • 投稿の公開範囲や削除、ブロックによる閲覧者制限など、本体機能が直接反映され、適切に処理される
  • Mastodonへの付加機能であり、本体同様、(広告価値向上のための)徒なバズ狙いにさらされにくい
  • 認知される場がFediverseであり、文化の異なる対象にリーチしにくい

とはいえ、ピン留めしたり、工夫次第でしっかりポートフォリオにも出来ます。

ダイレクト投稿による個人的な会話においても、参照で、投稿を相手にまとめて見せられるという便利な使い方があります。

リプライやブースト、引用との比較

従来からの言及には、リプライはもちろんですが、ブースト言及(ブースト後に投稿して元の話題と関連と示す手法)、引用によるものがあります。 また、お気に入りすることで相手に通知されることを利用したり、メンション(@で始まるIDで相手に通知する)で見てほしい相手に伝える方法もあります。

  • 参照は、それを検知する何らかの方法を備えていなければ参照されたことに気付かない(相手が参照通知対応の環境であれば有効にすることで通知を受けられる)
  • 特定の相手の発言に直接言及するのではなく、あくまで参考にして述べるに留まるため、相手にとっても自分にとってもプレッシャーが少ない
  • ブーストは強制的にフォロワーに投稿を見せることになるが、参照は興味がなければ辿らなければ良いため、対象投稿を変に目立たせず、タイムラインを乱しにくい
  • リプライが投稿の末尾に情報を追記していく流れになるのに対し、参照は遡る方向に情報を追記したスレッドを形成する
  • リプライ・引用は単独の投稿をポイントすることしかできないが、参照は複数を対象にすることができる
  • 独自機能であり、『参照リンク』による公開ページで非互換の実装に内容提示できるが、閲覧以外のリアクション等には不便であるため、標準機能には劣る面がある

課題

  • クライアントアプリの対応
    • 参照対処を選択して投稿する機能は、そのための専用の操作系を実装する必要があり、ハードルが高い
    • 参照通知は対応しやすいハズ
    • 『参照リンク』をタップした際に、ブラウザ呼び出しではなくネイティブ動作で投稿一覧できると良いが、実装工数が相応にかかる
  • 連合するActivityPubサーバでの対応
    • 対応実装が増えるとは考えにくいが、必要な情報はオブジェクトに含めていて連合可能(Fedibird同士では機能している)
    • 表現の見直し
  • 合意形成